気になるあらすじ
1947年のイタリア・ベネチアが舞台となるこの映画では、名探偵エルキュール・ポアロが隠遁生活を送っています。
彼はある霊能者のトリックに興味を持ち、ハロウィーンの日に子供の霊が現れるという屋敷でのパーティと降霊会に参加します。
しかし、集まったのは秘密を抱えた客ばかり。
その中で招待客の1人が人間には不可能な方法で殺されてしまいます。
やがてポアロ自身の命も狙われ、事件は思わぬ末路へと進展していきます1。
デヴィッド・スーシェ演じる名探偵ポワロの第12シリーズ3話の「ハロウィーン・パーティ」が本作の題材となった作品に該当するのですが、全く違う作品となっています。
元々の「ハロウィーン・パーティ」という作品は緻密で不可解な事件がねじれあってできたような作品だったことや、犯人の潔さからくる美学みたいなものを感じれるものでした。
私の中ではポアロ作品の中ではかなり特殊で過激な分類に入る作品で原作通りにするとこのご時世だと衝撃が強いような印象を受けます。
(一瞬ですがポアロの素敵なスティックアクションが観られるのがポイント高いです。)
本作の予告を観た時にはポアロが引退された後の話ということで幕を開く話なのかなと思いました。
引退といえば名探偵ポワロシリーズの「カーテン〜ポワロ最後の事件〜」という作品について語りたくなるのですが、今その思いを堪えながら書いています。
ちなみにアガサ・クリスティ先生が本当にポアロシリーズを完結させた作品で書きたいことがいっぱい出てくるので別の機会に書きたいと思います。
本作は少し、ホラーテイストに仕上げておりミステリー×ホラーとして作り上げたかったから本作のようなシナリオになったのではないかと考えています。
「ポアロにも解くことができない不可解なこととは?」
観客を惹きつけるテーマとして十分な材料だったと思います。
本作はポアロを好きな方というよりも多くの方に受ける作品にしたかったのだと思いました。
私もおもしろいと思いました。
意外性に秀でていて、元々が「ハロウィーン・パーティ」には各シーンがオマージュであるとわかるシーンや推理構成・結末が全く違うので原作をご存じの方でも驚かせたいという思いが伝わってきました。
1作「オリエント急行殺人事件」
あまり本家を崩さずにオリジナル性を出した作品。
2作目「ナイル殺人事件」
原作のポイントとなる部分を分かりやすく、そしてオリジナル性を出した作品。
そして、本作は完全にケネス・ブラナー版ポアロを世界観を全面に出した作品。
今までと違った切り口で描かれたポアロは私にとっても刺激的でした。
知りたい映像作品ジャンル
ジャンル : ミステリー
主演 : ケネス・ブラナー
再生時間 : 103分
3つの楽しみポイント
①美しいベネチアの舞台設定
映画は1947年のイタリア・ベネチアを舞台にしています。
ベネチアの美しい運河や建物、風景が映画全体に魅力を加えています。
② エルキュール・ポアロのキャラクター
ケネス・ブラナーが演じる名探偵エルキュール・ポアロは、知識豊富で鋭い観察力を持つキャラクターです。
彼の推理と謎解きのプロセスが見どころです。
③サスペンスとミステリーの要素
事件の真相を解明するためにポアロが追求する過程は、観客を引き込みます。
トリックやアリバイ、隠された動機など、ミステリー好きにはたまらない要素が盛り込まれています。
関連動画
視聴方法
そもそもエルキュール・ポアロとはどんな人物?
私が「探偵といえば誰を思い浮かべますか?」と聞かれたら、即答でポアロが口に出てしまうほど好きな探偵です。
すごく特徴的ですので紹介いたします。
①外見と性格
外見:
ポアロは背が低く、緑の目を持ち、卵型の頭と黒い髪、そして特徴的な跳ね上がった口ひげをたくわえています。
彼は常に三つ揃いの仕立て服に蝶ネクタイを着用し、山高帽とエナメルのブーツを履いています。
性格:
彼は自らの「灰色の脳細胞」を活用することで知られ、自信家であり、世界最高の探偵であると自負しています。
ポアロは整理整頓を好み、身なりにも気を配ります。
また、フランス語圏出身であるため、興奮すると訛りが出たり、英語の合間にフランス語を混ぜたりすることがあります。
②探偵としてのスタイル
ポアロは、容疑者たちとの尋問や何気ない会話を通じて、人物の思考傾向や行動傾向を探ります。
彼は物的証拠と心理分析を組み合わせた推理で数々の難事件を解決してきました。
また、彼の捜査スタイルは、容疑者全員を集めて推理過程を説明しながら真犯人を指し示すことで知られています。
③経歴
ポアロは19世紀中頃に生まれ、ベルギー南部のフランス語圏出身です。
彼はブリュッセル警察で活躍し、署長にまで出世した後、退職しました。
第一次世界大戦中にドイツ軍の侵攻を逃れてイギリスに亡命し、そこで探偵としての活動を始めました。
④名探偵ポワロとしての映像化
これは余談ですがポアロは多くの映画やテレビドラマで描かれており、特にデヴィッド・スーシェが演じた「名探偵ポワロ」シリーズは、原作に忠実な描写とスーシェの演技により、多くのファンから愛されています。
わたしが大好きな作品です。好きすぎて紹介しているだけです。
このシリーズは1989年から2013年にかけて制作され、アガサクリスティー先生のポアロシリーズのほぼ全ての作品が映像化されました。(本当に感謝!)
本映画版と原作小説との相違点(ネタバレ注意)
舞台設定:
映画は第二次世界大戦終戦直後のイタリア・ヴェネツィアを舞台にしています。
原作ではイギリスが舞台でしたが、ベネチアのカーニバルや運河などの特徴的な要素が映画で生かされています。
キャラクターのアレンジ:
映画ではエルキュール・ポアロのキャラクターが一部アレンジされています。
彼は引退しているものの、世間で知名度が高く、ボディーガードを雇って隠遁生活を送っています。
また、他の登場人物も原作とは異なる設定や結末を持っています。
スリラー要素の追加:
映画では瞬間のショッキング描写やスリラー要素が強調されています。
事件の解決に向けてポアロが奔走する様子や、亡霊と秘密に満ちた不吉な世界への追い詰められる展開が観客を引き込みます。