今回、紹介したい映像作品は「パラサイト・クリーチャーズ」
気になるあらすじ
アルプス山脈の観測基地で管理人をしているヤネクは、科学者たちと共に気象調査を行っています。
ある日、観測機器の故障を調べるために山奥へ向かった一行は、氷河の一角が赤く染まっているのを発見します。
調査を開始すると、愛犬が狂犬病に感染したようなキツネに襲われてしまいます。
治療のために基地に戻ると、突然未知の生命体に襲われます。彼らは何とか生命体を撃退しますが、赤く染まった氷河を分析した科学者によって驚愕の事実が告げられます。
本作はとてもクオリティの高い作品と感じました。
クリーチャーの作りや恐怖の演出、ビックリポイントをホラー作品として含ませているということと、作中だけで完結させない想像や考察できる余地をもたせていることです。
クリーチャーはCGと造形物とのバランスも良く、「エイリアン」を観ているようでした。
知りたい映像作品ジャンル
ジャンル : SFホラー
主演 : ゲアハート・リーブマン
再生時間 : 97分
3つの楽しみポイント
①緊張感あふれるストーリー展開
映画は未知の生命体との戦いを描いており、次々と襲いかかる危機に観客を引き込む緊張感がたまりません。
予測不能な展開が続き、最後まで目が離せません。
② 美しいアルプスの風景
アルプス山脈を舞台にした映像美が魅力的です。
壮大な自然の中で繰り広げられるサバイバル劇は、視覚的にも楽しめます。
③キャラクターの深み
主人公ヤネクをはじめとするキャラクターたちの人間ドラマも見どころです。
彼らの葛藤や成長が描かれており、単なるモンスター映画にとどまらない深みがあります。
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視聴方法
登場する大臣
やたらと活躍したのが大臣です。
ホラー映画等ではよく偉い地位の人は性格が悪かったり、状況を悪化させる天才が多いのですが本作は違います。
ステータスで表すと全ての能力値がAランクと有能すぎるのです。
例えば、悪いことを行った人にはしっかりと叱り、傷ついた人に優しく接し、襲ってきた化け物を率先して食い止める勇敢さ、見捨てない心と人の治療も行います。
そして、性格も着飾らない立派な方のように描かれています。
「インデペンデンスデイ」等の勇敢な指導者が登場する映画は多いですが、ここまでオールマイティにこなす方はいないでしょう。
アルプス山脈はアルプス・ヒマラヤ造山帯に属していますがヒマラヤといえばテレビ放送版デビルマンに登場するデーモン族の拠点となっていた場所です。
そして、本作とデビルマンの共通点もおもしろいです。
氷山の中には何がいるかわからないという恐怖というのはもちろんなのですが、本作の生命体とデーモン族の最も共通していることは融合のような特徴がある点です。
デーモン族は憑依するものと合体をして能力を得ることができます。
本作のクリーチャーも本質的には同じことをしています。
どちらも世界の終わりが確定したような能力ですね。
taiho0305.hatenablog.com
そして、最後のシーンではまるでデビルマンのようなに人間と犬の交配種が生まれ、それを主人公たちが育てる意図で大切に持ち出します。
これを観た方の中には悪手だと思われる行動のように思われますが、作中でも古代エジプトの壁画にある犬の顔で人の体であるアヌビスも本作の生命体の影響だったのではないかという話も出ていました。
そして、まさに姿はアヌビスでした。
そこから、決して人間サイドの敵となるわけではないと考えます。
お持ち帰りの子は人間世界を守るデビルマンとなる可能性や、デビルマン作品でも起こった現象ですが人間と何かの交配種がこの後もたくさん生まれる可能性が多くあります。
人間がおかしなことをしなければ、救世主となりますがデビルマン作品では愚かな人間の行いによってデビルマン達が集まり第3勢力であるデビルマン軍が誕生していました。
本作の科学者の行動から同じ道を歩みますね。
最終的には人間との交配種がこの世界の新人類となり、旧人類が虐げられる世界になっていそうです。
あくまで本作の生命体は知恵があるわけではないので動物のようなものです。
本作の生命体が氷山で凍っていたのは交配種の見た目が醜く気に入らなかった創生の神が生命体を氷山に封印し、代わりに人間という生命体を創造したのかもしれません。
封印から逃れた生命体の交配種の生き残りがアヌビス等の世界に残っている動物と掛け合わしたような神様や精霊として信仰され伝わったという流れなのではないでしょうか。
動物と人間をかけ合わせた神様
アヌビス(Anubis):
古代エジプトの冥界の神で、ジャッカルの頭を持つ人間の姿をしています。
アヌビスは死者の魂を冥界に導き、オシリスの裁きを受けさせる役割を担っていました。
本作のラストの交配種はまさにアヌビスそのものではないでしょうか?
ガネーシャ(Ganesha):
インドのヒンドゥー教の神で、象の頭を持つ人間の姿をしています。
ガネーシャは知恵と学問の神として崇拝され、障害を取り除く神としても知られています。
バステト(Bastet):
こちらも古代エジプトの神で、猫の頭を持つ女性の姿をしています。
バステトは家庭と女性の守護神であり、また戦いの女神としても知られています。
稲荷神(Inari):
日本の神道における神で、狐の姿をした神使(神の使い)として知られています。
稲荷神は農業、商業、繁栄の神として広く信仰されています。
アポロ(Apollo):
ギリシャ神話の太陽神で、時には白鳥や狼の姿を取ることがあります。
アポロは音楽、予言、医療の神としても知られています。
ガルーダ(Garuda):
インド神話の半人半鳥の神で、ヴィシュヌ神の乗り物として知られています。
ガルーダは強力な力を持ち、悪を打ち倒す守護者です。
本作の猛禽類のクリーチャーは元気だったので世界にとってのガルーダとなるかもしれませんね。
ミノタウロス(Minotaur):
ギリシャ神話の怪物で、人間の体に牛の頭を持っています。
ミノタウロスはクレタ島の迷宮に住んでおり、英雄テセウスによって倒されました。
アマルテア(Amalthea):
ギリシャ神話のヤギの姿をした神で、ゼウスを育てたとされています。
アマルテアの角は豊穣の象徴とされ、無限の食物を提供する力を持っています。
クエツァルコアトル(Quetzalcoatl):
アステカ神話の羽毛のある蛇の神で、知識と風の神として崇拝されています。
クエツァルコアトルは人間に文明をもたらしたとされています。