今回、紹介したい映像作品は「魔法少女マジカルデストロイヤーズ」
気になるあらすじ
謎の組織「SSC」によってオタク文化が排除された日本を舞台にしています。
物語は、オタク文化を愛する若き革命者「オタクヒーロー」と、彼を慕う3人の魔法少女「アナーキー」「ブルー」「ピンク」が、「好きなものを好きなだけ好きといえる世界」を取り戻すための戦いを描いています。
私はこの作品は人を選ぶ作品であり、オタク指数を測ることができる作品でもあると思っています。
色んな作品のセリフや、ネット用語を散りばめており、なおかつパロディも多く気づけないものも多いはず。
そして作品が抽象的な作風で全てを語らないスタイルのため、性質的に何度も繰り返し観て自分なりに考察して楽しむことができる面白さがあります。
ぜひチャレンジしてみてください。
そして、ネタバレを含めた私の一部の考察も視聴方法より以下の項目で語りたいと思います。
知りたい映像作品ジャンル
ジャンル : ぶっ飛びオタクレジスタンス
原作 : 原案はJUN INAGAWAさん
放送開始 : 2023年~
3つの楽しみポイント
①ユニークなストーリー設定
このアニメは、オタク文化が排除された日本を舞台に、オタク文化を取り戻すために戦う若き革命者と魔法少女たちの物語です。
ストリートカルチャーとアキバカルチャーを融合させた独特の世界観が魅力です。
②個性豊かなキャラクター
主人公の「オタクヒーロー」と、彼を支える3人の魔法少女「アナーキー」「ブルー」「ピンク」は、それぞれ異なる個性と魅力を持っています。
彼らの掛け合いや成長が見どころです。
③アクションとユーモアのバランス
戦闘シーンは迫力満点で、魔法少女たちの能力や戦術が楽しめます。
また、ユーモアもたっぷりで、シリアスな展開の中にも笑いが散りばめられています。
関連動画
視聴方法
※注意!ここから先はネタバレを含む考察をしております。
オープニングテーマの謎
オープニング曲「MAGICAL DESTROYER」
なんとも聴いて不安になるような音楽でありながらクセになる歌詞や曲調がポイントのこの曲。
マジカルデストロイヤーという曲名であることからズと付けていないことからある一人のキャラクターの心情を描いているのかな?と思いました。
まず考えられるキャラクターはスレイヤーちゃん。
SHOBON側の唯一の魔法少女であり、スレイヤーというくらいですのでMADなデストロイヤーというのはピッタリだと思います。
「繰り返される夢から覚めたいよ」というフレーズが気になるところですが、この世界のようなことを何度も繰り返されている物語であれば毎回スレイヤーちゃんの役目を考えたら嫌な役割ですので終わらせたいと苦悩している可能性があります。
前回までの記憶が残っているのかも・・・アナーキーちゃんも10話の初めに悪夢にうなされるシーンがありますが夢の中では5人の魔法少女が立っていて最後にアナーキーちゃんに迫ってくるということがありました。
元々、5人の魔法少女であり何度も繰り返される世界の中で2人が離脱してしまったのか今回の世界はあくまでSHOBONが世界改変をしているため残りの2人が不要だったから登場していないだけかもしれません。
アナーキーちゃんとスレイヤーちゃんは見た目が似ていることから基は同じところから複製された存在であるがアナーキーちゃんはストーリー上、記憶をなくさせてオタクヒーローに渡したのかもしれません。
もう一人がオリジン。
破壊と創生を繰り返している最初の神的立ち位置というのが印象にある存在。
しかし、本作のような行動をしていることから人間の感情はないように思えます。
姿はとてもアナーキーちゃんたちに似ていることからアナーキーちゃんたちの基になった存在であることがわかります。
何かしらの指名があり、世界を作っては壊すことから抜け出せなくなっており最後のほうのシーンではSHOBONの思い通りになっている世界ではとてもつまらなそうにしているが、思惑と違った途端に笑い出しました。
もしかしたら、本人がSHOBONに与えた力でも制御できない事象がハッキリと出たことにオリジン本人もこのループから抜け出せるんじゃないかと期待し、笑いがこみ上げたのではないでしょうか?
ストーリーをただ沿って本編を観ていると、SHOBONのストーリーは面白くなくて飽きているところで意外なことが最後に起こって単純にその出来事に笑ったように見えますが、私はなんかそれだけでは大げさすぎるような気がしちゃいました。
そして、オリジンもまた過去に仲間がいてその頃は楽しく過ごしていたことからオタクヒーローたちと共に過ごしていた時間は飽きないものであり、特別な時間だったのかもしれません。アナーキーちゃんの悪夢に登場する5人組がオリジンの元々の仲間なのかもしれません。
また、気になるシーンがオープニング映像にあります。
オープニング映像の最後のシーン。
明らかに「最後の晩餐」をイメージしているシーンがありました。
オタクヒーローが真ん中で手を広げ一人だけお花畑なのに対し、その他は下を向いている。
まず、「最後の晩餐」について説明を致します。
「最後の晩餐」は、イエス・キリストが十字架にかけられる前夜に、12人の弟子たちと共に行った食事のことを指します。
裏切りの予告:
イエスはこの晩餐の席で、弟子の一人が自分を裏切ることを予告しました。
この裏切り者がイスカリオテのユダであり、彼の裏切りによってイエスは捕らえられ、後に十字架にかけられることになります。
聖餐の制定:
イエスはパンとぶどう酒を弟子たちに与え、「これは私の体であり、これは私の血である」と言いました。
これが後に「聖餐式」としてキリスト教の儀式の一部となり、イエスの犠牲と愛を記念するものとなりました。
愛と奉仕の教え:
イエスは弟子たちの足を洗うことで、謙虚さと奉仕の精神を示しました。
これは弟子たちに対する愛と、互いに仕え合うことの重要性を教えるものでした。
上記の「最後の晩餐」の意味をおさえてもう一度シーンを観ると一人だけが裏切り者のようには見えません。むしろ、オタクヒーロー以外裏切り者であることを暗示しているかのようです。
オタクヒーローたちが過ごす日常が偽りであることを伝えているのかもしれません。
エンディングテーマの謎
エンディング曲「Gospelion in a classic love」
これもまたかっこいい曲です。
和訳した歌詞から、オタクヒーローがアナーキーちゃんたちに向けた曲のように聞こえてきます。
裏切られても、神への祈りなのかアナーキーちゃんたちを守っていてほしいと頼むような構図になるのでしょうか。
なんともしっくりきます。
エンディング映像では何人もの魔法少女たちが無造作に倒れており、明らかに幸せではない状態であること、異常であることがわかります。
それでも、オタクヒーローに尽くす本作に登場する魔法少女たち。
オタクヒーローが亡くなる最後まで傍にいてあげたのでしょう。
守り、守られている感じがします。
オリジンとは
仮説は色々と作れる状態です。
まず、オリジンという意味について調べると「ある物事や現象が始まったとされる起源や根源」。
本作でいう根源とは何か考えてみました。
まずは最初の魔法少女である可能性。
「魔法少女まどかマギカ」のようなものと考えると、オリジンは最初の魔法少女であり膨大な力を持っており神のような概念のような存在。
長きに渡り生きてきたことでまどマギでいう魔女化して感情や心が歪んでしまったのではないでしょうか。
SHOBONに力を与えて暇つぶしをしており、本編のラストからSHOBONが倒されてしまった場合、新たに2代目SHOBONを生み出すのでしょう。
そして、本作の世界がオリジンが創生した可能性。
オリジン=神であり、暇つぶしで創生したのであれば本作のキャラクター名があだ名やモブ感のある名前が付けられている。
「OTAKU HERO」という作品の前日譚
本作がどのような作品なのかを掘り下げるためには原案であるJUN INAGAWA先生にスポットを当てましょう。
まず、本作に登場する魔法少女たちが描かれたアート作品から本作のプロジェクトが始動されました。この時点ではストーリーは存在しておりません。
ただ、JUN INAGAWA先生がイラストを描く上で脳内ストーリーはあったのかもしれません。
そしてJUN INAGAWA先生が学生のころに考えていたマンガというのが「OTAKU HERO」。
そのストーリーではすでに2次元コンテンツが禁止された世界で、主人公のOTAKU HEROが取り戻すというもので本作はその前日譚であるとのこと。
確かに2011年であると年を指定して進められていますし、本作では完全にオタクを掌握しているわけではない状態です。そして主人公がオタクヒーロー。
この「OTAKU HERO」という作品にも3人の魔法少女が登場しており、その魔法少女が主軸となっているようです。もしかして、アート作品もこの3人をイメージして描かれたのかもしれません。
本作で誕生した「魔法少女マジカルデストロイヤーズ」が「OTAKU HERO」では主人公と戦う存在なのかもしれません。または共闘する仲間なのかも・・・